【連載コラム:求人票の書き方 #11-2020】
たとえば、年収?
たとえば、仕事?
たとえば、残業時間?
「学生が就活で重視する項目」
大阪労働局は府内の大学等での
「ワークルールセミナー」にて
受講生へのアンケート調査を実施、
取りまとめた結果を公表しました。
今回のコラム
調査結果の概要と
「求人票の書き方」を検証します。
※以下の資料は、大阪労働局ホームページ等で
公開されている資料より引用します。
「ワークルールセミナー」アンケート 集計結果の概要
大阪労働局は、
「ワークルールセミナー」の参加学生に
・【労働時間・休日等】
・【企業概要】
・【その他】
3つのカテゴリー 13項目について
「就職活動をする上でどの程度重視するか」などの
受講後アンケートを実施。
取りまとめた「各項目の重視度」
以下の結果が報告されています。
「重視する」回答が多い項目は
・休日・有給休暇実績:85%
・仕事内容:79%
・年収:73%
が上位
・就業時間(交代制の有無等):68%
・残業時間実績:67%
・転居を伴う転勤の有無:61%
・育児・介護休業:51%
・社内研修の有無:41%
などが続きます。
報告資料ではこの傾向について
・「年収」よりも「休日・有給 休暇実績」や「仕事内容」を重視する割合が高い
・「就業時間(交代制の有無等)」や「残業時間実績」も7割近くが「重視する」と回答、
“働き方改革”や“ワーク・ライフ・バランス”が学生にも浸透している様子がうかがえる。
とコメント
そのほかの項目では、
「企業規模」は、27%
「平均年齢」は、19% など
従業員数や人員構成への関心が薄い傾向などの
特徴も垣間見える結果が報告されています。
また、報告資料には
"「重視する」割合の男女差が大きい項目"も掲載
重視度の差分が大きい項目は
「育児・介護休業」 女性:84% 男性:76%
「女性管理職の比率」 女性:34% 男性:11%
「企業規模」 女性:22% 男性:31%
ちなみに、
「仕事内容」についての重視度は
女性:84% 男性:76%
との結果が報告されています。
※大阪労働局主催「ワークルールセミナー」とは
(アンケート集計結果 報告書より)
大学生等を対象に、
・就職に向けた事前準備
・アルバイトでのトラブル防止
を目的として、大学等へ講師を派遣し
労働関係の基礎知識に関する講義形式のセミナー
令和元年度(1月末時点)では、
12校、1,250名の大学生・短期大学生が受講
【資料出典・引用】
大阪労働局 2020.02.28
『ワークルール』セミナーアンケート結果
▽
https://jsite.mhlw.go.jp/osaka-roudoukyoku/content/contents/20202271342.pdf
欲しい人材に響く! 求人票の書き方(学生が「重視する項目」と"大卒等求人票")
学生が就活で重視するのは「年収」よりも
「休日・有給 休暇実績」や「仕事内容」
2020年1月6日に一新された
ハローワークの新・求人票
大学院・大学・短大・高専・専修学校などの
学生向け求人はリニューアルされた「大卒等求人票」の
様式で求人情報が提供されます。
13項目のうち
・就業時間(交替制の有無等)
・休日実績(年間休日数)
などは「労働時間」の各項目で
そして、、
・月平均所定外労働時間
・有給休暇平均取得日数
の前年実績など「就労実態等の職場情報」を提供する
仕組みとして「青少年雇用情報」が掲載されます。
掲載される項目は以下の通り、
"新卒入社段階でのミスマッチによる早期離職の解消"などを目的に
平成28年3月1日からスタートした「青少年雇用情報シート」に準拠しています。
≪青少年雇用情報 項目と文字数≫
■ 企業の募集・ 採用に関する情報
(1) 新卒者等採用者数・新卒者等離職者数(過去3年度)
(2) 男性新卒者等採用者数・男性新卒者等採用者数
(3) 平均勤続勤務年数・従業員の平均年齢
■ 企業の職業能力の開発及び向上に関する取組の実施状況
(1) 研修の有無(全角63文字以内)
(2) 自己啓発支援の有無(全角60文字以内)
(3) メンター制度の有無
(4) キャリアコンサルティング制度の有無(全角60文字以内)
(5) 社内検定等の制度の有無(全角60文字以内)
■ 職場への定着の促進に関する取組の実施状況
(1) 前事業年度の月平均所定外労働時間
(2) 前事業年度の有給休暇の平均取得日数
(3) 女性の役員割合・管理職割合
(4) 前事業年度の出産者数・前事業年度の育児休業取得者数
【関連コラム】
[大卒等4/1公開] 大卒等/高卒求人票 様式変更の共通点・文字数・特徴【求人票の書き方 #04-2020】
そして女性・男性とも
学生が重視する「仕事内容」
リニューアルされた大卒等求人票では
「職種」は、最大40文字(全角)
「仕事の内容」は、最大300文字(全角)
ここを活用して、自社が求人募集している
仕事の魅力を訴求することになります。
仕事の魅力を伝えるコピー
たとえば、よくみかけるフレーズは
「やりがいのある仕事です」
そんな一文だけで魅力の訴求を
片付けてしまうことは
グルメ系のプロモーション記事で、
「ここの〇〇は絶品です」の一文だけで
読者に"オススメ"しているようなもの。
どこが・なにが? なぜ・どうして?
「ここの〇〇は絶品」と言えるのか?
"オススメする根拠・理由"の
ポイントがみえてこない
具体性のない曖昧模糊とした
コピーだけしかないコンテンツ。
そんなコンテンツに対して、読み手が
具体的な説明を端折った・放棄したような
"やっつけ仕事"な印象を抱いてしまうと、
かえって逆効果です。
読み手目線に立って、
仕事内容に興味・関心を持ってもらえるように
わかりやすく・ていねいに伝えておきたいところです。
※一般求人では、「仕事内容」欄は最大360文字。
書き方のポイントは同じです。
2012年(平成24年)以来、
本連載コラム・求人票セミナーなどで
お伝えしていますが、
「求人とは、集客。」
「求人票も、広告。」です。
求人情報の読み手が欲しいのは
他社求人とも比較できる
「リアリティを感じる情報」
そして、
「“働き方改革”や“ワーク・ライフ・バランス”が
学生にも浸透している様子がうかがえる。」
今回ご紹介した報告書のこのコメントにもあるように、
学生が重視する・求める求人情報は、
時代によって変わっていくものです。
伝える言葉も、読み手の興味・関心も、生きもの。
「こう書けば、必ず応募者が集まる」
そんな絶対法則的な書き方・文章表現など
存在しないことは想像に難くありません。
たとえ"文字数の制約"があったとしても、
他社とは違う「自社で働く魅力」を
自由な発想とオリジナリティあふれる言葉で
求人情報の読み手に伝えおきたいところです。
そしてそのスタンスは、
有料求人媒体や採用ページでも
店頭の求人ポスターやチラシでも
なんら変わるところはありません。
・求人票も書き方次第、求人情報も伝え方次第
・どこに出すか?よりも、なにを伝えるか? です。
みなさんは、まだ見ぬ"欲しい人材"に
なにを・どう伝えますか?
弊社では、
ハローワーク求人票、求人・事業所PRシートをはじめ
採用ページ・各種媒体のリライトなどのご相談も対応しております。
よい採用の実現に、弊社のノウハウをご活用頂ければと存じます。
【資料出典・引用】
東京労働局
「新規学校卒業者の採用について」
▽
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/shokugyou_shoukai/_121483.html
愛知労働局HP
2021年3月卒業予定者対象大卒等求人受付スタート(事業所向)
▽
https://jsite.mhlw.go.jp/aichi-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/shokugyou_shoukai/tetsuzuki/daisotu.html
秋田労働局
令和3年3月 新規学校卒業者の求人申込みのご案内
▽
https://jsite.mhlw.go.jp/akita-roudoukyoku/newpage_00181.html
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
みなさまのご参考になれば幸いです。
※本コラムは、各メディア情報等取材した内容を基に、
コラム記事として掲載しています。