「ものづくり産業におけるDX人材の確保」
昨今のトレンドワードのひとつ
"デジタルトランスフォーメーション(DX)"と、
ものづくり産業のデジタル技術の活用
2021年5月21日
労働政策研究・研修機構は
企業アンケート調査の結果を
公表しました。
今回のコラム、調査レポートから
「DX時代のものづくり人材の確保」を
中心にピックアップ
求人票の書き方も検証します。
※以下の資料は、JILPTホームページ
公開資料から引用します。
JILPT「ものづくり産業におけるDXに対応した人材の確保・育成や働き方に関する調査」概要
今回のコラムでご紹介するデータは
独立行政法人 労働政策研究・研修機構による
ものづくり産業におけるDXの浸透と
それに対応する働き方、人材の確保・育成に向けた
現状と課題を把握するための企業アンケート調査
以下の結果が公表されています。
■ デジタル技術を活用する理由/活用を検討している狙い
デジタル技術を活用している、または検討中の企業が
「デジタル技術を活用する理由」
以下の結果が報告されています
「在庫管理の効率化」:57.1%
「作業負担の軽減や作業効率の改善」:56.5%
「開発・製造等のリードタイムの削減」:52.8%
「生産態勢の安定」:52.6%
が上位に
反面
「人手不足の解消」は、37.0%
「社内コミュニケーションの円滑化」は、20.9%
「新型コロナウイルス感染症拡大とその後の社会変化への対応」は、14.5%
報告書でもコメントしていますが、
ものづくり産業におけるデジタル技術活用の
理由・狙いに傾向・特徴がみられる結果となっています。
■ デジタル技術の活用のための"ものづくり人材の確保"に向けて実施していること
自社のデジタル技術活用のため
「"ものづくり人材の確保"に向けて実施していること」
以下の結果が報告されています。
自社の既存の人材に関する取組み
「デジタル技術に関連した研修・教育訓練を行う」は、全体で34.9%
・デジタル技術を活用している企業:48.6%
・デジタル技術未活用企業:17.0%
外部からの人材確保に関する取組み
新卒採用の7.8%に対し、
中途採用は、21.1%
※中途採用 内訳
・デジタル技術を活用している企業:27.7%
・デジタル技術未活用企業:12.3%
出向・派遣等による受け入れは、全体で4.1%
デジタル技術を活用しているものづくり企業ほど
中途採用による人材確保を重視している傾向がみてとれます。
■ デジタル技術に精通したものづくり人材として"重点的に確保したい人材"のレベル
「自社のデジタル技術活用のために確保したい人材像」
「重点的に確保したい人材のレベル」として
以下の結果が報告されています。
「社内で、独力で課題発見と解決ができるレベル」:44.5%(39.0%)
「社内で要求された作業を、独力で担当できるレベル」:35.9%(36.1%)
「社内で要求された作業が担当できるレベル」:35.1%(35.9%)
※( )内は「デジタル技術未活用企業」の回答割合
デジタル技術を活用している企業では
「デジタル技術導入後の次のステージにレベルアップするための課題発見
デジタル技術未活用企業では
「デジタル技術の導入初期の実務担当者」
自社のデジタル技術の活用度合と求める人材の
相関関係が垣間見える結果となっています
調査結果の詳細は
下記【出典・引用】のURLからご確認ください。
【出典・引用】
JILPT 2021.05.21記者発表
ものづくり産業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)に対応した人材の確保・育成や働き方に関する調査
▽
https://www.jil.go.jp/press/documents/20210521.pdf
独立行政法人 労働政策研究・研修機構ホームページ
▽
https://www.jil.go.jp/
欲しい人材に響く! 求人票の書き方( DX人材の確保と求人票の書き方 )
ものづくり産業における
「DX(デジタルトランスフォーメーション)に対応した人材の確保」
ご参考までに、上記でご紹介した調査報告書では
「デジタル技術の活用・導入において
"先導的な役割を果たすことができる人材"に必要だと考えること」
に関するアンケート調査の結果も報告しています。
上位に挙がった回答は
「自社が保有する技術や製品について熟知している」:54.7%
「デジタル技術を自社の事業で活用・応用できる能力(生産性向上、技術革新など)」:49.6%
「会社の経営方針やものづくり方針を理解している」:45.5%
「会社が置かれた経営環境や事業環境を理解している」:45.4%
「コミュニケーション能力がある」:43.7%
など
求人広告や採用ページでよくみかける「求める人材像」よりも
かなり具体的な能力を期待していることがみてとれます。
また、上記「■ "重点的に確保したい人材"のレベル」
でもご紹介した通り
「社内で、独力で課題発見と解決ができるレベル」
と
「社内で要求された作業を、独力で担当できるレベル」
と
「社内で要求された作業が担当できるレベル」
とでは、
IT系の表現で言い換えると
プロマネか、システムエンジニアか、プログラマーか
それほどに期待する仕事内容・役割・成果が
異なるであろうことは想像に難くありません。
本コラムでご紹介した
調査データからも明らかとなりましたが、
ひとこと「デジタル技術に精通した人材」と括ってみても、
その具体的なニーズ・スペックは百社百様
単に"仕事の内容を詳しく書いて"
「システム経験者歓迎」
「IT技術者優遇します」
と付記するだけでは、
その求めるレベル感が伝わらず
入社後のミスマッチの火種となることも
想像に難くありません。
もちろん
ハローワーク求人票の「仕事内容」欄に
具体的な担当業務を網羅しておくことは
読み手に対する必要最低限な書き方のマナー
そもそも
「一見して、なんの仕事かわからない」
そんな求人票は、どんなに気が利いたキャッチコピーで
読み手をフックしても、結果的にスルーされるのがオチです。
ですが、それだけで
"自社が今現在求めている人材に響く求人票"と
なっているかは検証が必要です。
ひとことで"IT"・"DX"といっても
自社の導入する内容が異なるように
IT系人材の専門領域も細分化されています。
・どんな技術者を求めているのか
・どんな経験者を求めているのか
・どんな成果を期待しているのか
そして、その人材は働くうえで、
どんなことに興味・関心があるのか
▽
その興味・関心に自社の求人票で
どう応え、なにを伝えて訴求するのか
定量的な仕事情報だけではない
具体性のある仕事内容や職場・会社の
定性情報も、的確にポイントを絞って、
しっかりとていねいに伝えておきたいところです。
2012年(平成24年)以来、
本連載コラム・求人票の書き方セミナーなどの
機会に繰り返しお伝えしていますが、
「求人とは、集客。」
「求人票も、広告。」です。
自社の広告にフックした人が
自社の商品・サービスに興味・関心を寄せる
その動線は、採用ページでも求人票でも
なんら変わるところはありません。
求人票も書き方次第
求人情報も伝え方次第
みなさんは、まだ見ぬ"欲しい人材"に
どんな言葉で・なにを・どう伝えますか?
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
みなさまのご参考となれば幸いです。