「人手不足・採用難」
ここ数年、求人・採用や企業経営の
キーワードとしてクローズアップされていますが
その傾向は、一体いつからなのでしょうか?
"買い手市場"から"売り手市場"へ
先般、その「労働市場の転換点」を読み解く
データが公開されました。
今回のコラム、その概要を紹介し
求人票の書き方を検証致します
※以下の資料は、厚生労働省等
各ホームページで公開されている資料より引用します。
2023.06.01厚生労働省公開 データで読み解く労働市場の転換点
今回ご紹介するデータは、
2023年6月1日 厚生労働省が公開した
「2023年度第1回雇用政策研究会資料」
一般に、就職、転職など「労働市場」の状況は、
「売り手市場」・「買い手市場」にカテゴライズできます。
・売り手市場:求職者有利⇔求人者不利
求人数よりも求職者の方が少ない状況
・買い手市場:求職者不利⇔求人者有利
求人数よりも求職者の方が多い状況
その市場動向や、有利⇔不利の程度は
「有効求人倍率」で確認することができます。
「有効求人倍率」とは、
"求職者1人当たりの求人件数"を示す指標
労働市場の状況を、
小数点第2位で切り分けると
・1.01以上で「売り手市場」
・0.99以下で「買い手市場」
となります。
「【資料5】足下の雇用・失業情勢や働き方の変化等について」では
リーマンショック前 2006年から、2023年4月までの状況を確認できます。
リーマンショックで
急下降した有効求人倍率の
「底」ボトムは、2009年8月の 0.42倍
そこから上昇に転じ、
2013(平成25)年10月には、0.98倍に
▽
1.00倍で均衡したのが 2013(平成25)年11月
▽
その翌月2013(平成25)年12月には、
1.03倍で「売り手市場」に転換
以後は、コロナ前後に
1.40倍→1.04倍となるも
1.00倍を割ることなく推移
つまり、有効求人倍率を指標とすれば
「売り手市場は約10年前から」と確認できます。
また、本資料で紹介されている
「新規求人数や新規求職者数の動向」も
厚労省が毎月リリースする
「一般職業紹介状況」の指標
"新規有効求人倍率"で、その推移をみると
2011(平成23)年5月には、0.98倍に
▽
1.00倍で均衡したのが 2011(平成23)年6月
▽
その翌月2011(平成23)年7月には、
1.07倍で「売り手市場」に転換
さきほどの転換点、
2013(平成25)年12月よりも1年半早く
「売り手市場」に転換
以降、
新規求職者数は年々ほぼ下降基調で推移、
新規求人数と新規求職者数の乖離幅は広いままで推移、
「労働力不足」の一端が垣間見える結果となっています。
ここまでの図表出典:2023年度第1回雇用政策研究会資料 【資料5】
欲しい人材に響く! 求人票の書き方 (売り手市場でも買い手市場でも求人で大切なこと)
今回のコラム
買い手市場=人手不足への
労働市場の転換点をデータで
読み解いてきました。
実は10年前から兆候を示していた
人手不足⇒採用難の潮流
時を同じくして、弊所では2012年6月から
「ハローワーク求人票の活用」をメインとした
中小企業/小規模事業者のみなさまの
求人・採用サポートをスタート致しました。
当初から、商工会議所各所様での
「求人票の書き方セミナー」・「専門家派遣」で
みなさまにお伝えしてきたことは、ただ一つ
「求人とは、集客。求人票も、広告。」という考え方です。
たとえ、労働市場の状況が
求人企業有利の「買い手市場」であっても
求人企業不利の「売り手市場」であっても
労働市場で、
就職先・転職先を探している人(求職者)が
・みなさんの会社の求人に"興味・関心"を示し
▽
・みなさんの会社の求人を"選んで"
▽
・みなさんの会社の求人に"応募する"
この一連のプロセス・行動を起こさなければ、
「面接⇒採用」の選考ステップに進めないことは、
同じです。
そして、
労働市場がどんな状況となっても
「自社求人だけしか出ていない労働市場」は
まずもってあり得ず、
なんらかの形で、職種・仕事内容が似通った
「他社求人が競合する」ことを前提に、
「求人票の書き方」を検討することが現実的な対応です。
求人票も広告です。
・広告の訴求ターゲットである
「自社が欲しい/求める人材」が
▽
・仕事探し・会社探しで興味・関心があるであろう
「会社・職場・仕事の魅力」=「自社で働くウリ」を
▽
・会社側の独り善がりなメッセージではなく
求人票の読み手である求職者の視点に立って、
「求人票で応募可否を判断できる情報」を
わかりやすく・ていねいに伝える。
その思考のプロセスは、
広告を創るそれと、全く同じです。
みなさんの会社の求人票も
着眼点を変え、表現や言い回しを変えるだけで、
読み手である求職者が受ける印象はガラリと変わり、
その変化は、応募行動の変化(反響)にも反映します。
みなさんは、どんな言葉/表現で
だれに・なにを・どう伝えますか?
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
みなさまのご参考になれば幸いです。
本コラムでご紹介したデータ、
詳しくは下記【出典・引用】各URLから
ご確認ください
【出典・引用】
厚生労働省 2023.06.01
2023年度第1回雇用政策研究会資料
▽
【有効求人倍率の推移:ご参考】
(有効求人倍率)
厚生労働省 職業安定業務統計
・一般職業紹介状況(平成25年10月分)について
▽
・一般職業紹介状況(平成25年11月分)について
▽
・一般職業紹介状況(平成25年12月分及び平成25年分)について
▽
(新規有効求人倍率)
・一般職業紹介状況(平成23年6月分)について
▽
・一般職業紹介状況(平成23年7月分)について
▽
※本連載コラムは、各省庁ホームページ公開情報等
取材した内容を基に、記事として掲載しています。