今回ご紹介したデータは
⼩規模事業者における、SNSの活⽤状況
SNSで求人募集を行うには
職業安定法等諸法令で
以下のルールの遵守が義務付けられています
■SNS求人必須の「6情報」
インターネットやSNSでの募集情報について
昨年末、厚生労働省からリーフレットがリリースされました。
職業安定法では、募集情報を提供するときは、
「虚偽の表示」または「誤解を生じさせる表示」を
してはならないこととされています。
昨今、インターネット等での募集事案に鑑み以下の
「6情報」の記載が必要となり、
これらの情報が記載されていない場合は同法違反となります
【SNS等求人の 6情報】
①氏名(名称) ②住所 ③連絡先
④業務内容 ⑤就業場所 ⑥賃金
②住所 ③連絡先については、
どんなレベルの記載が必要か
などの基準が示されています。
詳しくは、下記【出典・引用】
厚生労働省URLからご確認ください
【関連コラム】
そして、今回のコラムご紹介した
白書のデータと分析コメント
「SNSで自社の取組・魅力の積極的な発信」
ここではSNSを「オウンドメディア」と捉え
SNSと親和性の高い動画を使った発信などもみてみます
「製品・商品・サービスの紹介」や
「新規顧客の開拓」などの目的の場合
▽
「動画がバズって会社の知名度爆上がり」
「動画のシズル感がウケて連日長蛇の行列」
それこそ、"一発当たって"くれれば、
動画を見ているお客様との距離感・関係性が
一気に縮まり、即、売り上げ・新規顧客獲得に
直結する販促効果を連れてきてくれますが
求人採用の場合、必ずしもそうはいかないはず。
「動画を見ているお客様」がどんな属性のみなさんであるを
よく頭においておく必要があります。
求人・採用目的のSNSでは
「新入社員・スタッフが踊っている動画」
「スタッフがふざけているような動画」
「スタッフの〇〇〇チャレンジな動画」
などを"成功事例"としてみかけることもありますが
なぜ"そういう作り"の動画を発信するのでしょうか?
なぜプロのダンサーを起用せず
自社のスタッフをキャスティングしたのでしょうか?
新入社員が踊っていたり
スタッフがふざけていたり
わちゃわちゃしていたり
それは、果たして
"リアルな職場の雰囲気・日常の一部"や
"なんらかのメッセージを込めた"など
明確な目的と意図を持った情報発信なのでしょうか?
本業のプロモーション目的の場合
"お客様"とは「リピーター」となっても
その立場と関係性は変わりませんが
求人募集のプロモーションの場合、
求職者とは応募・選考を経て
"お客様"から「従業員」=その会社で働く人へと
その立場と関係性が一変することが一番の違いです。
求人企業から発信された動画をみて
「わぁ!楽しそうな会社。一緒に働きたい」と感じる人もいれば
「入社したら、こんなことやらされるんだ」と感じる人もいる
不自然なテンションでやらされ感が強い”1日の流れ”動画
プライベートを切り売りしたような"休日リア充"動画
求人採用動画ではそんな臭いも含め、視聴者から
「好き・嫌い」や「イタい・ツラい」が
瞬時に判定されているはずです。
求人募集の場合には
「この動画、好き」からさらに
「この会社で働きたい・面接を受けたい」に
コンバージョンさせなければ、
応募から面接・採用には繋がりません。
「動画は面白いけど、入社したいとは・・・」
「楽しいけど、普段の業務じゃないし・・・」
「入社したら、私もやらされるんだ・・・」
などと感じた求職者は
「見るだけならいいけど、仕事選びは別」
「自分は、こんなことやりたくない」
という心象が形成され、
まずもって応募することはないでしょう
そんな求人の違和感で済めばよいのですが
「ちゃんとした会社には見えないし・・」
「これって、逆にブラックな会社???」
わざわざそんな動画をつくってみせる
求人企業に対する”不信感”につながってしまうと、
「企業広報として適切なコンテンツか?」
求人募集どころか企業イメージに対しても
本末転倒な効果・結果となりかねません
よしんば「楽しそう」と感じた求職者が
「自社の求める人材像」であって、
無事面接を経て採用できたとしても、
入社直後、その楽しさが「動画のための演出」と
実感してしまうような出来事が起こった場合、
それが、どのような結果を招くか?
そこまでも十分に考えておきたいところです。
加えて"タイパ・倍速再生"が視聴習慣の
レイヤーが求人のターゲットである場合は、
「どう編集して見せるか?」も
考慮すべき大切な要素になるはずです。
固定カメラでテロップもメリハリもなく
滔々と長尺のメッセージを語る動画
果たして、最後まで見てくれるでしょうか?
「どんな求職者に・なにを見せて・どうイメージしてほしいか」
オウンドメディアは比較的手軽である分、
自社でコンセプト・デザイン・ゴールなど、
しっかりとした方向性を決めておき
単に「流行りに乗っかる」ことにリスクはないかを
見定めておくことが重要なはずです。
その意味では、
自社で原稿をつくらなければならない
ハローワーク求人票も
"オウンドメディアのひとつ"といえます。
求人広告にありがちなフレーズ
よくある表現で自社の求人票を書き上げても
没個性ですし
広告としての目的・機能をよく考えず
一方的に自社の伝えたいことを、
長文でだただらと"詳しく"書いてみても
それはメリハリのない長尺動画と同じ。
見せつけられた求職者から、
初見で「面倒な会社の求人」と"ドン引き"されるか、
途中で離脱されるであろうことは想像に難くありません。
「詳しい」も量ではなく質。
"詳しさ"の意味をはき違えることなく
求職者に伝えたい
「自社で働く魅力はなにか?」
「その魅力をどう表現して伝えるか?」
媒体がSNSであるか・動画であるか・
求人票であるかは、ツール・手段の違い。
根底に流れる本質は同じであるはずです。
求職者の「仕事選び」とは同時に
「自分が勤めたい会社選び」
「自分が働きたい職場選び」
職場・仕事のリアルを感じない求人情報
いいことばかりで裏がありそうな求人情報
一方的で過剰な自己宣伝に終始した求人情報
そんな違和感を察知する嗅覚は
就職・転職活動を経験したことのある
みなさんであれば、おわかり頂けようかと存じます。
求職者は、職業選択の状況下で
どんなことに興味・関心を持ち
応募のモチベーションが上がるか?
求職者に伝えたい・知ってほしい
「自社で働く魅力」とは、なにか?
求人票も書き方・伝え方次第
「どんな情報を・どう表現して載せるか?」で
その印象は見た目からガラリと変わります。
みなさんの求人票・採用ページのコンテンツは
読み手である求職者のみなさんから
「選ばれる」内容となっていますか?