「コロナ禍での就職活動」
2021年7月13日 公益財団法人 全国求人情報協会は
全国の大学4年生・大学院2年生を対象とする
アンケート調査を実施、調査結果を公表しました。
今回のコラムは、調査報告書から
気になるトピックをピックアップ、
求人票の書き方も検証します。
※以下の資料は、公財)全国求人情報協会ホームページで
公開されている資料より引用します。
2020年の就活 就職予定先への就業意向・転職意向/従業員規模の志向
今回ご紹介するデータは
「2021年卒学生の就職活動の実態に関する調査」
調査対象は、民間企業・団体への就職活動を
在学中に経験した全国の大学4年生・大学院2年生
以下の結果が報告されています
■ 就職予定先への就業意向・転職意向
本調査では「就職確定者」に対して
就職を予定する会社での将来について
・就業意向:そこで仕事を続けたい
・転職意向:将来転職も考えている
に区分、集計結果を公表しています。
※図表出典:2021年卒学生の就職活動の実態に関する調査
「勤続志向・計」は、
大学生全体で、74.5%
大学院生全体で、83.9%
ともに昨年よりは減少となっていますが
大学院生の方が大学生より勤続志向が高く
文系大学生より理系大学生のほうが勤続志向が高い
など、属性毎の特徴のほか
先の【連載コラム】でご紹介した、
「就職先への納得度」別でも集計
「勤続志向・計」について
「納得・計」の 79.7%に対し
「納得していない・計」では 32.0%
就活での会社選びの満足度・納得感が
ビビットに反映している傾向がうかがえます。
※1.勤続志向・計:
「その企業・団体等でずっと仕事を続けたい」+「当面はその企業・団体等で仕事を続けたい」
転職志向・計:
「転職することも視野に入れている」+「すぐに転職したいと思っている」
※2.「納得している・計」:
「納得している」+「まあ納得している」
【関連コラム】
[2020年の就活] 就活納得度/知りたかった情報・知ることができた情報【求人票の書き方 #30-2021】
[東商 2021年度新入社員意識調査] 入社後感じる不安/魅力に感じる制度【求人票の書き方 #22-2021】
■ 就活開始当初の会社選び 従業員規模の志向
大手企業か? 中堅・中小企業か?
本調査では「就活開始当初の志向」を調査
以下の結果を公表しています。
※図表出典:2021年卒学生の就職活動の実態に関する調査
◆大学生では、
「大企業がよい」:45.3%
「中堅・中小企業がよい」:31.5%
◆大学院生では
「大企業がよい」:61.4%
「中堅・中小企業がよい」:22.2%
そのほかにも
◆文系・国公立で高めな"大企業志向"
「大企業がよい」:59.0%
「中堅・中小企業がよい」:22.8%
◆地域別では
・関東、近畿で高めな"大企業志向"
「大企業がよい」
関東:49.2%
近畿:48.6%
・中部、中国・四国で高めな"中堅・中小志向"
「中堅・中小企業がよい」
中部:40.2%
中国・四国:45.8%
などの特徴・傾向がうかがえます。
詳細は、下記URLからご確認ください
【出典・引用】
公益社団法人 全国求人情報協会 ニュースリリース 2021.07.13
2021年卒学生の就職活動の実態に関する調査
▽
https://www.zenkyukyo.or.jp/2021_shinsotsu_release/
欲しい人材に響く! 求人票の書き方( 中小企業の新卒採用コンテンツ 求人票の書き方 )
新卒採用の求人・採用戦略
それは、大企業であろうと、
中堅・中小企業であろうと同じ
就活をしている学生さんを
「うちの会社に来てもらう」
ためのものです。
ですが、残念ながら就活生からの
知名度・認知度は"大企業が上"で
あろうことが現実
ですが、今回ご紹介したデータによれば
一定数の学生さんが
・「中小・中堅企業がよい」
・「規模はまったくこだわらない」
と考え、就活していることもみえてきました。
そんな志向の学生さんに
「自社を知ってもらうこと」が
中堅・中小企業の求人戦略ので
大事なポイントですが、
"全国レベルの知名度向上"だけが
そのミッションではありません。
地元の就活生に知ってもらいたいのであれば
全国の就活生相手のマスな求人媒体だけでなく
自治体などが運営している就活支援サービスに
求人を出すことや合同就職説明会に参加することも
選択肢のひとつ
そして、そのような機会に提供する
求人票や採用ページ・説明会資料などの
求人コンテンツで大切なコンセプトは
「"うちの会社ならでは"を知ってもらうこと」です。
求人コンサルティングの現場では
中小企業・小規模事業のみなさまの
お話しをお伺いする機会が多いのですが
ていねいにお話しをお聴きすると
「大企業でもマネできないうちの〇〇」
「これはよその会社では絶対できない●●」
なネタを持っておられることが多々あります。
・会社の歴史・ストーリーを知ってもらう
・事業の内容を具体的に理解してもらう
・商品・サービスの独自性・特長を理解してもらう
・仕事内容を理解してもらう
・うちで働くメリットを感じてもらう
・職場の雰囲気や社風を感じてもらう
そんな視点で、なにを伝えたいか?
自社が伝えたいことを探してみてください。
コロナ禍で急速にWeb選考にシフトしている状況は、
リアルに会社・職場を見てもらう・体感してもらう
機会が少なくなっていることを意味します。
いままで以上に、求人コンテンツで
「知って欲しい、うち会社のこと」を意識して
情報発信しておきたいことです。
とはいえ、
情報の送り手である企業が
自らが進んで「ココがスゴい!」な
アピールをすることは文脈によっては、
"自画自賛"とネガティブなイメージで
受け取られる可能性があるので
その用法には注意が必要です。
同様に職場紹介や人材育成関連の
コンテンツでみかける
「〜安心です」
「〜万全です」
「〜大丈夫です」
「〜心配ありません」
などの定番フレーズも、
文脈によっては曖昧さが際立ち、
かえって読み手をネガティブにする
リスクを抱えています。
2012年(平成24年)以来、
本連載コラムや商工会議所などでの
「求人票の書き方セミナー」で
繰り返しお伝えしている
「求人とは、集客。求人票も、広告。」
という視点・考え方
広告コピーがそうであるように、
求人コピーの良し悪しは、
「読者の読後感」に左右されるもの
就活生からの注目度を上げるために
自社の求人コンテンツにキャッチーな
コピーをつけたのであれば
それを受ける本文(ボディコピー)は
そのキャッチを担保し、実証する内容で
しっかりと構成しておきたいところ
「ココがスゴい!」とキャッチでアピールしても
本文に読者が納得できるストーリーやオチがないと、
それは、キャッチコピーの空回り。
"看板倒れ"とならないためにも
キャッチで広げた風呂敷は、ボディで丁寧に畳んでおかないと、
その求人コンテンツは、まとまりがなく"とっちらかった"
印象となりかねません。
「自社の当たり前は、知らない人にはスゴいこと」は、
求人情報でPRするネタを見つける大切な視点ですが
「そのネタを、どう表現して、どう伝えるか」は全くの別物。
その良し悪しで出来栄えが大きく左右されることは、広告のそれと同じ。
よくよく慎重に吟味しておきたいところです。
求人票も書き方次第、
求人情報も伝え方次第
求人票も求人情報も
その情報を届けたい相手(読者)がいます。
ほんのワンフレーズ・ワンセンテンスでも、
その印象はガラリと変わります。
みなさんは、
「だれに・なにを・どう伝えたい」ですか?
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
みなさまのご参考になれば幸いです。
※本連載コラムは、各所ホームページ公開情報等
取材した内容を基に、記事として掲載しています。
【関連コラム】
[2021年版中小企業白書]中小企業の新卒採用 10年ぶりチャンス到来か?【求人票の書き方 #13-2021】
「2020年卒追跡調査」"勤続志向"辞めない新卒者採用/求人票の書き方【求人票の書き方 #12-2021】
[内閣府報告書より] 新卒採用 企業が求める人材像と実際・採用ターゲット【求人票の書き方 #42-2020】
[内閣府報告書より] 就活生が「就職先を決める際に重視していること」【求人票の書き方 #41-2020】
【参考文献】
株式会社ディスコ ニュースリリース 2021.07.12
2022年卒「 採用ホームページ好感度ランキング」発表
〜採用ホームページに関する調査
▽
https://www.disc.co.jp/press_release/8560/
株式会社リクルートキャリア 2021.02.16プレスリリース
就職白書2021(就職みらい研究所)
▽
https://shushokumirai.recruit.co.jp/white_paper_article/20210216001/
アイデム人と仕事研究所 2021.07.21
新規高卒者の採用・就職活動に関する調査
▽
https://apj.aidem.co.jp/enquete/327/